家庭向けの動画編集ソフトは、一般的に 個人利用 を想定したツールで、商用的な利用を認めていません。

【家庭向けソフトに明記されている規約】
家庭向けソフトに、以下もしくは同様の一文が明記されている場合は、「商用」に当たる利用を認めていません。
- このソフトは商用利用できません。
- このソフトは個人的な利用にのみ利用いただけます。
定義や線の引き方について整理してみましたので、疑問をお持ちの方は参考にしていただけたら幸いです。
商用利用の定義|ソフトの著作物
動画編集ソフトに含まれる第三者の著作物について
動画編集ソフトで商用利用がNGなのは、ソフトそのものではなく、一部の素材です。
【動画編集ソフトで著作権に当たる部分】
- ソフトの利用そのもの:特に制限なし
- ソフトに含まれる素材の利用:エフェクト・楽曲・テンプレートなどの合成素材やプログラムに第三者の著作権があり、ソフトメーカーで商用を許諾できない。
プロ向けソフトは、ほとんどの素材・プログラムを自分で導入する必要があるため、導入時点で商用or非商用を切り分けられるため、著作権管理は容易です。
対して、家庭向けソフトは、大量の素材がソフトにプリインストールされているため、ユーザーが著作権つきの素材と認識できずに使う可能性が極めて高いです。
【第三者が著作権を持つことが多い素材 一覧】
- 写真
- 動画
- 効果音
- エフェクト
- テンプレート
- BGM
事実、ユーザーが素材ごとに著作権の有無を見分けるのは難しく、一律「このソフトは商用利用できません」と表記するしかないのが、一般的なメーカー対応となります。
商用利用の定義|機能と素材
家庭向けソフトでも商用利用が可能な機能と素材について
商用利用に抵触するのは、ソフトメーカー以外が制作した素材になるため、基本的な編集機能や、代わり映えのないスタンダードな素材は、著作権フリーで利用できるか、限りなく見過ごされます。
【商用利用が問題ない・問題になり難い機能・素材 一覧】
- カット
- 結合
- 合成・ミキシング
- フェードインやフェードアウトといった、代わり映えのしないスタンダードなエフェクト
- 早送り・逆再生・手振れといった補正機能
・・・・など。
ちなみに、ソフトに初期装備されたエフェクト・テンプレート・音源・画像といった素材を使わずに動画編集するのは、初心者~中級者には難易度が高いです。
一般的には、動画の品質アップと制作時間を短縮するため、別途ロイヤリティフリーの素材を購入するのが一般的な対策になります。
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商用利用の定義|「商用」と「個人」
「商用利用」と「個人利用」の違いについて
動画編集ソフトで気を付ける箇所はなんとなく理解できたものの、そもそも自分の動画が商用利用か個人利用かを切り分ける基準も知っておきたくないですか?
商用利用を、前提条件だけで切り分けることは難しいものの、一般的な定義は次のとおりです。
◎商用利用とは◎
個人、法人に関わらず、収益・収益化を目的としたソフトの利用が明らかであるケース。
商用利用=収益化 と呼ぶこともあり。
◎個人用利用とは◎
個人・法人に関わらず、収益・収益化を目的としない利用が明らかであるケース。
商用利用と個人利用を分けるポイントは、次の2点といえます。
- 収益が発生する・収益化の可能性があるか?
- 上記を目的として制作されたと判断できるか否か?
ちなみに、目的や意思というのは、制作者の本意とは関係なく、総合的・客観的に判断される第三者からの評価です。
- 「収益目的ではない!」といくら言っても、「そうとしか見えない」と判断されてしまう場合もある。
- 「収益目的ですけどなにか!?」の場合も、「目的があるとはいえない」と判断される可能性もある。
また、商用であることを判断するのは難しいですが、個人利用を断定するのは簡単なので、個人利用以外=商用利用(の可能性がある)と考えた方がシンプルです。
ちなみに、個人利用の定義とは次の通りでした。
- 一切の収益と関連付けられない状態や環境であること=個人利用
わたしのように、アフィリエイトやアドセンスリンクありのURLと関連づけたいた動画配信では、間接的な収益可能性もあるため「商用とみなされる可能性は高い」と思っておくのが妥当です。
【完全に個人利用と言えるケース】
- 完全なクローズド環境での利用。
- アフィリエイトや広告表示など、一切の収益と結びつかない環境での動画共有。
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商用利用の定義|事例
ケースで切り分ける商用or個人
昨今では、ユーチューブをはじめとした動画投稿サイトと、サイト経由の収益発生が一般化してきたことから、商用と非商用の境が微妙なケースが増えたように感じます。
実際、動画編集ソフトでも、「動画投稿サイト経由の収益なら個人利用として認めるよ…」なんて一文を追加するメーカーも増えています。
そこで、ケースによる商用or個人用の切り分けをしてみましたので、よろしければ参考にしてください。
ケース | 商用利用 | 個人利用 | 状況による |
個人の趣味&観賞用 | ● | ||
友人や自分の結婚式・イベントムービーの制作 | ● | ||
ユーチューブチャンネルやブログにアップするための動画編集(広告収入あり) | ● | ||
動画メディア制作&販売 | ● | ||
製品やサービスの販促プロモーションムービー制作 | ● | ||
説明 | 完全に商用利用扱いとなります。 |
個人が楽しむだけなら、使う素材も、表現も自由です。 誰とも共有しないクローズド環境だと完璧です。 |
収益性が全くなければ個人利用としてほぼ認められます。 収益が見込まれる場合は、要メーカー確認です。 |
自分の作品と照らし合わせるときは、以下のコンセプトを洗い出しておくとチェックがしやすいです。
【作品のコンセプトは?】
- 動画を作った目的:収益化 or 個人的な鑑賞
- 共有方法:会場・DVD・メディア・ストリーミング…etc。
ちなみに、状況によって分岐する「結婚式・式場」・「動画投稿サイト・SNS」では、以下のケース以外は商用と判断される可能性が高いです。
【個人利用と判断されるケース】
- 一切の利益を得ないムービー制作や上映
- 広告のない個人ブログやストリーミングチャンネルへのアップ
収益性ゼロのウェディングムービーなどは、たとえ公共での上映しても商用利用とはみなされません。
ただ、演奏権やBGM素材の利用権は別問題なので、注意が必要です。
なお、明らかな個人利用を除き、商用かどうかの解釈は個々のケースごとに検討する必要があるため、少しでも不明な点があるときには、当サイトの掲載内容も含めて素人判断はせず、必ずメーカーへ問い合わせしましょう。
商用利用の定義|Youtube・動画投稿サイト
Youtube・動画投稿サイト経由の収益化について
長い間、動画編集ソフト業界では、動画投稿サイトへの動画アップについて、「内容や収益性に関わらず商用利用」とみなしていましたが、ユーチューブをはじめとした動画投稿サイト・SNSでの個人利用が一般化してきたことを受け、柔軟な姿勢を見せるメーカーがでてきました。
そして、ついに2019年以降、以下のスタンスを打ち出すメーカーが頻発しています。
SNS・動画配信サイトへ投稿する動画に限り、収益の有無に関係なく商用利用とは見なさい。
スタンスが変わったメーカーとして、「ワンダーシェア(Power Director)」・「フィモーラ(Filmora)」があります。
興味のある方は、こちらもご覧ください。
⇒動画の収益に寛容なソフトについて
ソフトの使用許諾の範囲はメーカーに決定権があるので、何はともあれ嬉しい判断ですね。
商用利用の定義|商用利用可の動画編集ソフト

商用利用ができる動画編集ソフトについて
自作ムービー経由で収益が発生する可能性のある方は、予め商用利用が可能な動画編集ソフトを使うのがおすすめです。
なお、一般家庭向けの動画編集ソフトも、動画投稿サイト・SNSでの収益化に柔軟性が出てきたため、商用レベルによって以下の2つから選ぶのがわたしのおすすめです。
【動画投稿サイト・SNS経由での広告収入のみの方】

初心者向けの優しいUIと、豊富な素材がパッケージされた激安×高品質ソフト。
特におすすめなのはサブスクリプリョンプランです。
⇒動画の収益にも寛容なPowerdirectorの評価・レビューはコチラ
【広く収益化を検討している方】

Adobeアプリを使っている方やユーチューバーにも御用達のプロ向けで完全に商用利用可の動画編集ソフト。
パワーディレクター程、初心者向けのテンプレート素材はないものの、有料・無料の高品質素材はwebで豊富に見つかるのもメリット高し。
⇒ガチの商用利用可ソフト adobe cc premiere proの評価・レビューはコチラ
商用利用の定義|まとめ
動画編集ソフトで商用利用を制限しているのは、第三者が制作したソフト・プログラムの権利が影響しているためです。
基本的な編集プログラムには権利問題は発生しないか分からないため、気を付けるべきはソフト同梱の素材と言えます。
もし、個人用ソフトを使って商用ムービーを作るなら、動画編集素ソフトに同梱されているエフェクト・画像・テンプレート・音源は使わず、ロイヤリティフリーの素材を使いましょう。
【おすすめのロイヤリティフリー ストックサイト MotionElements】

高品品質&ロイヤリティフリーを扱う、おすすめの有料ストックサイトといえば、Motion Elements です。
- プロ用のサブスクと違い、買い切りパッケージで購入でき、1パッケージが2,000円程度とリーズナブル。
【超シームレス!トランジションパック】
【超クール!分割画面パック】
ちなみに、基本素材はソフトにプリセットされているため、慣れていない方が素材を使い分けるのは困難ですし、効率も悪いです。
よって、商用ムービーを作るなら、商用可能な動画編集ソフトを使うのがなんだかんだ言っておすすめですね。
【商用利用が可能な動画編集ソフト2選】
なお、商用と個人用を分ける大原則は収益の有無で、どんな共有方法でも、収益性がない場合は、個人利用の範疇と判断されるのが常です。
逆に、僅かでも収益性のあるムービーを作るときには、商用利用と判断される可能性があることを自覚しましょう。